高島雄町 岡山県高島産雄町100%使用
1859年、篤農家・岸本甚造氏が発見した2本の稲穂が最初に育成された旧高島村雄町。酒米として稀有な性質は全国の醸造家に広まり、いつしか栽培地「雄町」の名で呼ばれるようになります。この史実は日本の酒造史における重要な転換点といっても過言ではありません。雄町発祥の地に大きな敬意を表して醸します。
商品情報
原材料 | 高島雄町(岡山県)65% |
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アルコール度数 | 15度 |
日本酒度 | +2.0 |
酸度 | 1.8 |
使用酵母 | きょうかい9号 |
仕込水 | 一級河川「旭川」の地下伏流水 |
取り扱い・保存について | 要冷蔵 |
味わい・特徴
色は黄緑。マスカット様の吟醸香がある。やや甘みがありなめらかな味わいです。雄町らしいふくらみが出ました。
株式会社 辻本店(岡山県真庭市)
文化元年(1804年)、現在地に酒造業を創業。
当時は美作勝山藩御用達の献上酒として「御膳酒」の銘(現在の銘柄の由来)を受け、一般には「萬悦(まんえつ)」の銘柄で親しまれていました。
又、当蔵元は古来「うまさけの国」と言われたこの「美作(みまさか)」の地(岡山県北の旧国名)で、寒冷な気候、良質の酒米と水という、酒造りの好条件に恵まれた環境にあります。このことは、当蔵の基本方針にも表れています。
長い歴史の中、地元の米、地元の水、そして地元の技で醸すことこそ、造り酒屋の原点と考え、綿々と酒造りに励んでいます。
酒質の特徴としては、県南の瀬戸内の酒が甘口であるのに対して、すっきりとした辛口が持ち味です。それは、冬の寒さの厳しいこの地の人々が求めた味でもあります。また、早くから(昭和45年頃)純米酒の製造にも積極的に取り組み、現在では製造数量の7割を占めています。
また、当蔵で40余年の熟練者であった前杜氏の原田 巧の後を引き継ぎ、平成19年より岡山県初の女性杜氏 辻 麻衣子が酒造りを行っています。蔵人も若返り、杜氏を盛り立てています。
当蔵元の辻家では、明治から昭和にかけての当主が、文化的な活動にも積極性であり、自ら書画を嗜むことから、文人墨客の訪れることが多く、与謝野鉄幹、晶子夫妻の逗留をはじめ尾上紫舟、碧梧桐等が画帳、色紙に筆跡を残しています。また、旨酒をこよなく愛した明治の文豪、谷崎潤一郎は当地で「細雪」を執筆していたことは、意外にも知られていません。
彼の逗留していた町屋も現存しています。歴史学者である奈良本辰也を始め、池田弥三郎、その他にも渥美 清、永 六輔等、多くの客人が訪れています。酒を通したさまざまな文化とのふれあい、こうした御前酒の歴史は、上質の酒造りの伝承と本物へのこだわりであり、次代の酒文化の担い手としての心意気を示すものに他ならないのです。